私はここでの生活がともて気に入っている
不便な所も数えれば切りがないがそれ込みで性分に合っているようだ
ここで生きていくには多少の生活費は稼がなくてはいけないので
そのために表へ出ることもあるがそんな必要もなければ
ずっとこの土地を離れたくないぐらい好きなのだ
とくに自慢なのが一人でこっそりと作り上げたツリーハウス
この時期はとくに重宝する
木陰で高い位置にあるので風もほどよく抜けて居心地が良い
風がなくても扇風機を搭載したので完璧だ
最近は長時間の読書に体が耐えれるようにリクライニングの椅子まで持ち込んだ
今日も図書館で借りてきた本を自分で挽いたコーヒーを飲みながら
寛いでいると開けはなたれた全面のスライドドアから見える空がどんどん
曇ってきてバケツをひっくり返したような雨が降ってきた
読書には天気は関係ないので雨ふりも歓迎だ
雨の降りが激しくなってきたので一度 本をよむ手を下ろしテラスに寄りかかりなんとなく外を眺める
さらに激しさが増し 屋根を伝って落ちてくる水が増えてきた
下へ落ちていく雨筋をボーっと眺めているだけでも面白い
小屋に戻ろうと振り返ったときになんともなしにツリーテラスの方をながめるとなにやらテーブルがぬれていた
手すりや縁ならわかるがテーブルがぬれているのは少しおかしいとおもい
スリッパから靴に履き替えてぬれた橋を渡って様子をみてみることにした
ツリーハウスとテラスはこのように橋によって行き来ができる仕組みになっているのだが橋には屋根がついていないためここを通過するときには雨に濡れてしまうため靴に履き替えた
テラスについたので上を眺めてみると天井に穴が開いていてそこから雨漏りしていた
あの場所だけプラスチック製のものを使用しているのでもしかしたら枝でも落ちてきて破損したかもしくは木が太くなりその影響で割れてしまったのかもしれない
どちらにせよ今日は雨ふりだし予備の材料もないのであとで補修することにしよう
しかし今度は小屋へもどってくると少し床が濡れている
どうやらこの小屋を貫通している木の場所から雨漏りしているらしかった
こちらも今すぐ補修することは無理なので雨漏りの下に鍋をおいて
やり過ごすことにした
自家製の宝箱に足をのせて読書を再開する
椅子の後ろではパンカラ パンカラ不規則でいてリズミカルなBGMが流れていた
今時 なかなかこんな木造の建物で雨漏りを鍋で受けているような
ノスタルジックな状況もすくなくなってきた気がするが私はこんな状況も
嫌いではない
むしろ少し楽しんでいる節もある
今日も夕方暗くなるまでここでのんびり過ごすことにしよう
どうやらコーヒーが空になったみたいなので
体をほぐすついでに淹れなおすことにするか
雨が降り 気温も下がったので温かいコーヒーも一段とウマそうだ